第23回全国高等学校クイズ選手権大会 レビュー

やってきました、年に一度のお祭り!
第23回全国高等学校クイズ選手権大会が猿9月12日21:00より日本テレビより全国ネットで放映されました。
まぁ、「クイズオタクと呼ばないで!」と言っているおいらがレビューを行います。
今回は、前回までの全国高等学校クイズ選手権とは、「かなり」異なっているため、私としては「期待」をもって見ることができました。

内容については、
・前回までの相違点
・全国大会出場高校一覧
・全国大会概要
・各チェックポイント感想
・放映全般について感想
という形にします。
なお、内容について参加者を批判するつもりは全くありません。
しかし、批判など書かれていると判断した方は遠慮なくメールしてください。
内容精査のうえ、修正等いたします。

前回までの相違点
今回からレビューを行っていきますので、「全国高等学校クイズ選手権」とはから説明したいと思います。
なお、この先「全国高等学校クイズ選手権」を「高校生クイズ」と表現させていただきます。

「高校生クイズ」とは
今を去ること26年前(1977年)、日本テレビにとある番組が誕生しました。
その番組とは、クイズを知らない人でも聞いたことであろう、「アメリカ横断ウルトラクイズ」である。
この番組は、クイズができれば「優勝しなくても」アメリカの各地にいけるというものであった。
(「アメリカ横断ウルトラクイズ」については、説明いたしません)
当時、この番組を見た高校生が、「我々にも同じ番組を!」と日本テレビに抗議したところから、
「高校生クイズ」が誕生しました。
当時の高校生クイズは、今とは違い冬休み期間中に行われました。
しかし、冬休み期間中は日程が足りなくなり、かつ参加者も年々増えてきたので、夏休み期間中に収録を行いました。
それは、今でも続けられていることです。
なお、年々参加者が増加していますが、事実、「高校生クイズ」は「世界一参加者の多い番組」としてギネスブックに載っています。
(※「参加者の多い」とは地方予選参加者を含む)
詳しくは、「クイズ辞典」を参照していただきたいのですが、
司会は
第1回〜第10回:福留 功男氏
第11回〜第20回:福沢 朗氏
第21回〜:鈴木 崇氏
である。
この中でも、福沢朗氏の司会は有名であろう。
(事実「高校生クイズ」=福沢朗と思っている人も多数いる)

参加方法は、いたって単純である。
「同じ高校で3人一組」「日本テレビに事前に申し込む」ことができれば誰でも参加可能である。
まぁ、「高校生クイズ」の説明はこれぐらいにしよう。

では、前回までの相違点を
・予選の方法が変更
今までは、地方10大会が行われ、そこで各都道府県代表が決定、全国大会へ駒を進めた。
しかし、今回はからは、地方5大会にて、「知力代表」として6チーム、「体力代表」として15チームが全国大会へ
その他、「新聞予選」で1チーム。「インターネット予選」で6チーム。「一芸予選」として2チーム。計30チームが全国大会へ駒を進めた。
・テーマ曲変更
今までは「メイナード・ファーガソン」の「ハリウッド」であったが、今回から「ロードオブメジャー」の「僕らだけの歌」に変更。
・メインパーソナリティーが誕生
前回までは、お手伝いとして各地方テレビ局のアナウンサー、ゲストとして有名芸能人が参加したが、
終始参加したのは、今回が初。今回は「爆笑問題」であった。

今回の相違点は以上である。
ちなみに、今大会の司会者とパーソナリティーは
司会者:鈴木崇日本テレビアナウンサー(通称、ラルフ)
パーソナリティー:爆笑問題(タイタン)
である。

今大会全国大会出場チーム一覧
知力(各地方予選優勝チーム):計6チーム
都道府県学校名結果
愛知県私立 名古屋高校1回戦敗退
福島県県立 双葉高校準決勝敗退
北海道市立 札幌開成高校1回戦敗退
茨城県県立 多賀高校1回戦敗退
熊本県県立 第二高校2回戦敗退
奈良県私立 東大寺学園1回戦敗退

体力(地方予選敗者復活チーム):計15チーム
都道府県学校名結果
愛知県私立 愛知高校1回戦敗退
愛知県県立 東海南高校2回戦敗退
長野県県立 長野高校2回戦敗退
富山県県立 新湊高校4回戦敗退
大阪府私立 高槻高校3回戦敗退
京都府私立 同志社高校1回戦敗退
広島県市立 舟入高校2回戦敗退
福岡県県立 福岡高校2回戦敗退
北海道私立 北海道東高校3回戦敗退
宮城県県立 宮城野高校1回戦敗退
宮城県国立 宮城工業高専4回戦敗退
群馬県私立 東京農大二高一回戦敗者復活・3回戦敗退
東京都私立 中央大学付属高校2回戦敗退
千葉県県立 四街道高校2回戦敗退
神奈川県県立 横浜緑ヶ丘高校2回戦敗退

新聞予選:計1チーム
都道府県学校名結果
東京都私立 早稲田大学高校学院4回戦敗退

インターネット予選:計6チーム
都道府県学校名結果
岐阜県県立 岐阜高校1回戦敗退
高知県県立 中村高校1回戦敗退
岡山県県立 総社高校準優勝
山梨県県立 市川高校2回戦敗退
神奈川県私立 栄光学園優勝
東京都私立 立教池袋高校4回戦敗退

一芸予選:計2チーム
都道府県学校名芸の内容結果
茨城県国立 茨城工業高専後ろ向きでピアノが弾ける準決勝敗退
広島県私立 広島学院チーム全員がパフォーマンス芸を持ち、老人ホームで披露3回戦敗者復活・第3位

全国大会概要
まずは、第1回戦。
昼食を賭けた、クイズが展開されました。
クイズの名称は発表されませんでしたが、形式として、
早押しクイズ+ペーパークイズ(共に歴史に関するクイズ)でした。
早押しクイズは、限定で1チーム難問答えても可。
無論、お手つき誤答のペナルティーはなし。
ペーパークイズは、簡単な問題(中学生レベル)と難しい問題(大学生レベル)から出題。
その代わり、簡単な問題にチャレンジするためには、3つの知恵の輪をクリアしないと挑戦できない。
ここでまず、20チームが勝ち抜け。
敗退した10チームは故郷へ帰るため、バスを待っていると、そのバスの側面には「敗者復活」の文字が。
よって、復活1チームを決めるべく、敗者復活が行われた。
内容は、太巻き寿司とアジのすまし汁の作成。
但し、料理に取り掛かれるのは、火打石で火を熾さないと取り掛かれない。
採点方法は、料理研究家「小林カツ代」先生をはじめとする料理家の人たちが厳しく採点。
ここを勝ち抜けたのは、第1回戦勝ち抜き20チーム+敗者復活1チーム計21チーム。

続いて、第2回戦。
江戸時代に実際に使用していたもの・江戸時代の商売などを当てるクイズ。
その名も、「斬り捨て御免クイズ」
ルールは、第1回戦突破順にクイズが出題。
二問正解で勝ち抜け。
逆に不正解だと列の最後尾に並ぶ。
前のチームが正解した場合は、クイズのジャンルを選択できる。
ジャンルは、
・珍品クイズ:江戸時代使用していたものを当てる。
・珍看板クイズ:江戸時代に商売していた店の看板を見て、何屋かを当てるクイズ。
・珍商売クイズ:江戸時代の行商人の姿や言葉から何屋かを当てるクイズ。
勝ち抜けると、美味しい団子を食べられるというものであった。
ここを勝ち抜けたのは、12チームであった。

続いて、第3回戦。
年に一度の祭りとかけて、「ドンジャラ祭りクイズ」。
即ち、12チームを4チーム毎3チームにグループ分け。
御輿の中は3段の断層の中にボールが5つ。
そのボールを一番下に落とした順に、一問多答クイズが出題される。
その一問多答クイズに正解するとそのグループが勝ちぬけられる。
ここで、2グループ、計8チームが勝ち抜け。
その後、敗者復活が告げられ、残された1グループが敗者復活をかけて、お堀に。
復活の内容は、5分間でお堀にいる鯉を多く取ったチームが復活。
ここの勝ち抜けは、第3回戦勝ち抜き8チーム+敗者復活1チーム計9チーム。

続いて、第4回戦。
今年アトム生誕の年としてその名も「アトム生誕ロボットクイズ」。
ロボットにまつわるクイズを出題。
形式は早押し、書き取り、3択などジャンルはバラバラ。
5ポイント先取で勝ち抜け。
ここで注目すべきは、ASIMOがフラダンスを踊れることが発覚、動体視力が素晴らしいロボットとのエアーホッケー対決であろう。
ここを勝ち抜いたのは、5チーム。

続いて、準決勝。
日本テレビが、お台場に引越ししたということもあり、かつお台場で人気のスポット、日テレ新社屋にてアナウンサークイズ。
ここでは、穴埋めの原稿が渡され1分後に「本物」のカメラに向かい、原稿を読むというもの。
原稿は一人一枚渡される。
「本物」はカメラに留まらず、実際のスタジオで行われているため、スタッフも専門を使用している。
ここで、アドバイスのため、
・豊田順子アナウンサー
・河村亮アナウンサー
・菅谷大介アナウンサー
が登場。
高校生達を励ました。
ここでは、3チームが勝ち抜いた。

最後に決勝戦。
ここまで勝ち抜いたのは、
・広島県 私立 広島学院(一芸予選通過)
・岡山県 県立 総社高校(インターネット予選通過)
・神奈川県 私立 栄光学園(インターネット予選通過)
である。
いつも通り早押しクイズ。
10ポイント先取で優勝。
このクイズを製したのは、
神奈川県 私立 栄光学園であった。

以上が、今大会の概要である。

各チェックポイント感想
・第1回戦〜歴史早押し&歴史ペーパークイズ+敗者復活戦〜
ここは、無難に見ることができました。
早押しに関しては、誤答・お手つきをした場合何らかのペナルティーを与えるべきかな?と思った。
その代わり、もう少し問題のレベルを下げるべきだと思いました。
理由として、クイズに答えるというよりも、勘で答えるというイメージが強かったからです。
その後の、ペーパークイズ。
中学生レベルの問題を解くための課題は充分だと思います。
今までの、高校生クイズの場合簡単な問題を解くには、体力モノを先にこなさなくてはならないのと同じと考えられるからである。
ただ、大学生レベルの問題を出すのはどうだろうか?

・第2回戦〜斬り捨て御免クイズ〜
ここは、挑戦者はクイズ、視聴者は勉強としてみることができました。
クイズに挑戦できる順番も筋が通っていましたので、良かったと思います。
ただ、敗者インタビューがなかったのが「?」って思いました。

・第3回戦〜ドンジャラお御輿クイズ+敗者復活戦〜
会場は、江戸の町を再現した場所でした。(場所不明)
毎年必ずある、団体戦クイズです。
今年は、お御輿を使い、全てのボールを最下段に落としたチームから解答できる形式でした。
ただ、司会者も言っていましたが、最初は盛り上がるが最後が地味になってしまったのは正直つまらなかったです。
折角お御輿という、素晴らしい道具を使用しているので、もう少しひねってみては?と思いました。
例えば、ボールを上から落とすのではなく、下から持ち上げるといった具合に・・・

・第4回戦〜アトム生誕ロボットクイズ〜
まず、ツッコミとして、「アトム出てきていないジャン!!!」
「アトム生誕」といってるぐらいですから、登場させてほしかったのですが・・・
まぁ、「鉄腕アトム」自体他局で放送されていますから、無理だと思いますが・・・
ここでは、現代のロボットの特徴や特性を見ることができました。
例えば、動体視力の優れているロボットや、災難救助を手助けするロボットなど。
これは視聴者も、勉強になったと思います。

・準決勝〜アナウンサークイズ〜
正直な感想、「羨ましい!!!」と思いました。
だって、原稿以外全て本物の環境でテレビに映れるのですから。
これはクイズの結果に関わらず、貴重な体験だと思います。
というか、あの場所で満足いく結果を出すことは不可能だと思います。
だって、常に自分にカメラが向けられているのですから。
(注、これまでは解答権を得たりおもしろい発言をした時しかカメラが向けられません)
ただ、結果発表後の「爆笑問題」の発言は許せませんけど。

・決勝〜10ポイント先取早押しクイズ
はっきりいいます。
最後の怒涛のラッシュを除いて、印象に残ることはありませんでした。
何故なら・・・(最後に話します)
収録時は、内容の濃いものだったと思いますが、それが視聴者に伝わりませんでした。
ただ、言える事。
優勝しました、私立 栄光学園、おめでとうございます。

放送全般の感想
正直言いまして、期待はずれの高校生クイズでした。
その理由は、後回しにしたいと思います。

まず、今回から導入されました「新聞予選」「インターネット予選」「一芸予選」ですが、成功だったと思います。
特に一芸予選ですが、ピアノはもとい、自分たちの芸を老人達に見せるというのは、中々できないと思います。
それを、実行しているのですから、全国大会に出場できるほどの価値はあったと思います。
次回以降も続けてほしいと思います。
ただ、今まで通り全国を10のブロックに分け、各都道府県代表を出してもらいたいです。
「高校生クイズ」は「クイズの甲子園」といっているぐらいですから、今まで通りにして欲しいです。
新潟や静岡など、地方予選会場まで遠いチームが全国大会に出場していないのはこのためだと思います。

今回の放送ですが、敗者を重点的に放送したのが良かったと思います。
正直、敗者が悔しくて泣いているor自分を責めている部分を見た時、私も泣きそうに鳴りました。
あの番組は、「クイズ」というバラエティーですが、実は、ドキュメンタリー番組です。
一生に一度、体験できるかどうか分からないものを体験できる番組。
そして、負けて悔やんでも悔やみきれない悔しさ。
これが、「ウルトラクイズ」の原点であり、「高校生クイズ」でもあるのです。
その部分をきっちり放送したのは、「かなり」良かったと思います。
今後も、この部分はきっちりと「放送」して欲しいです。
ただ、実際の敗者も見ているわけですので、それなりの暖かい言葉をアフレコする必要はあるかと思いますが・・・

最後になりますが、「期待はずれ」の理由を。
私的に納得いかない点が3つあります。
その3点とは、
・パーソナリティーの存在は?
・編集をやりすぎているのでは?
・テーマ曲を変えた理由は?
です。

まず、前者から。
今回からパーソナリティーが参加するようになりましたが、私的にはどのような立場なのかいまいちはっきりしませんでした。
司会者サポートなのか、盛り上げ役なのか、観衆なのか・・・
正直意味不明でした。
そして、準決勝結果発表後に発言した内容が許せませんでした。
発言内容は、あえて掲載しませんが、傷つきやすい年頃にあの発言はないだろうと。
しかも、敗者に向けて。
あの場、ラルフを含めたアナウンサーなら、もっと温かみのある言葉をかけているでしょう。
それを、もっと落ち込ませるような発言。
本人は、ネタとして発言し、チョコッとしたコントにまとめているようですが、あの場に「コント」は不要です。
もっといいますと、結果発表の場に「笑い」は要らないのです。
それは、スタッフ一同知っていることだと思うのですが。

そして2点目。
正直、編集のしすぎです。
特に決勝戦で感じたのですが、ポイントを取る部分を大胆にもカットしているのです。
これは問題です。
いえ、決勝戦は問題のスルーを除いて編集は必要ないと思います。
だってポイントを取る部分を放送しないと、何故優勝したの?と視聴者は思ってしまうからです。
そして、意味不明なナレーター。
要約しているかのようにナレーターが入っていますが、あれも不要です。
その部分を、放送するなりすれば分かるからです。
もしナレーターを使うのならば、司会者を使えばよいと思います。
司会者を使った分、「高校生クイズ」色が強まるからです。

最後に3点目。
テーマ曲を変えた理由は?
今まで、数多くのアーティストが番組に曲を提供し、歌ってきましたが、テーマ曲を変えたことはありませんでした。
それを、何故今変更したのでしょうか?
少なくても、私は今回の曲を高く評価していません。
歌手・歌詞が、悪いとかいうわけではなく、続かないからです。
この歌手・曲の場合、巷に出ている歌手と同じステージに立っているのです。
ここまで言えば分かるかと思いますが、ファンでない限り1年もすれば忘れ去られてしまいます。
それが例え、クイズマニアであろうとも。
矢張りここは、今まで通りの曲に戻して欲しいです。
今までの曲を流せば、高校生だって反応するはずです。
どうかお願いです。
日本テレビよ、考え直していただけないでしょうか?

これにて、今大会のレビューを終わりにしたいと思います。

最終更新日:2003年9月15日