【たのしい少額訴訟 正誤表】
2013年8月12日リリース「たのしい少額訴訟」の正誤表です。
本文中の各所につきましては、当ページの内容と置き換えて下さい。

ページ・行 修正箇所 修正後表記 備考
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(追加) 前章において、強制執行はハードルが高いという旨を解説しましたが、少額訴訟債権執行制度を用いる事により、通常訴訟における強制執行より容易に債権を取り立てる事が出来ます。これは、少額訴訟制度を用いる事のメリットのひとつであり、少額訴訟で十分な勝機があり、かつ、相手が大人しく請求金額を支払わない事が想定出来、そして何より「相手が相応の債権を持っている」事が明らかである場合には、この制度を用いて債権回収を図るべきであろうと言えます。
具体的な例を挙げると、同人誌販売委託業者が委託物の売上代金を支払わない場合、業者のwebサイトに掲載されている送金先口座情報等を予め把握した上で少額訴訟を起こします。そこで和解に至らず、勝訴した場合、少額訴訟債権執行制度に基づき前述の口座の債権を押さえます。その口座には少なくない売上金額が入っている可能性が高く、また、債権回収手続き開始後には裁判所より当該銀行に対して「債務者には支払ってはならない」という命令が出ますので、安全に債権を回収出来る事になります。
ただし、毎日別の口座に売上金を退避させている等の理由で最低限の金額しか入っていない場合や、そもそも売上が存在しない場合など、請求金額全額を回収出来ない可能性もゼロではありませんので、その点に関しては注意が必要です。
少額訴訟特有の制度「少額訴訟債権執行制度」に関する記載の追加。
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最終行
(追加) 証拠集めの具体的な例ですが、例えば同人誌の委託販売の場合ですと「利用規約」「相手方とのメールのやり取り」「委託物の販売ページ」「委託物の店頭販売の状況を収めた写真」「委託物の発送伝票および配達記録」「委託物の納品書」等が挙げられます。
然るべき約束事があり、それに対してこちらが然るべき義務を果たしたという事と、紛争解決に向けてこちらがどれだけ努力をしたのかが明確になるよう各々の事柄を書面として揃える必要があります。一方、相手方が然るべき義務を怠っている事もその書面を通して第三者が理解出来るようにしなければなりません。これに関しては感情に依らず、粛々と記録を集めるようにしましょう。
なお、証拠集めは「相手方に対して多くを訴える前に」ある程度終わらせておく必要があります。さもないと、相手方が証拠を隠してしまう可能性があります(例えば販売ページや利用規約を表示不可にしたり、店頭から委託物を撤去したりする事等が想定されます)。この辺りに関しては周到に立ち振る舞う方が賢明です。
証拠集めに関する具体例の解説の追加および債権情報(被告側銀行口座情報等)の収集に関する解説の追加。
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20~21行目間
(追加) 和解に至らない場合は即日判決が出ます。
そして原告は、判決の内容に対して、勝訴・敗訴を問わず「不服」を申し立てる事が出来ます。その場合、別途不服申し立ての手続きを行ないます。
一方、判決の内容に対して不服がない場合(勝訴した場合)においては、債権回収に向けて動く事となります。相手が素直に債権の支払いに応じれば良いのですが、そうではない場合は少額訴訟債権執行制度に基づき債権回収を行なう事になります。少額訴訟債権執行制度は、通常訴訟における強制執行と異なり、それよりも容易に債権を取り立てる事が出来ます。ただし、そのためには少額訴訟債権執行制度に基づく手続きが必要であり、そのための費用が掛かります。また、こちらの制度を用いたとしても、回収するべき債権を相手方が持っていないと回収する事が出来ませんので、その点はご注意下さい。
少額訴訟債権執行制度に係る費用は、債務者と債権者が各1名で債務名義1通の場合の手数料は4,000円となります。また、別途、郵券(切手代)が4,000~5,000円程度必要となります。具体的な費用は裁判所によって異なりますので、別途お問い合わせ下さい。

少額訴訟債権執行制度を適用した場合、判決が出て、その内容が確定していれば、相手方がどれだけゴネようと制度に基づいて粛々と債権回収が行なわれます。
多くの場合、相手の銀行口座から預金を回収する形になると思われますが、相手が通信販売の業者であった場合、商品の代金を振り込む口座に対して手続きを行なえば回収の確率は高いです。このため、少額訴訟を起こす前に、必ずこの銀行口座情報等を押さえておく必要があります。
しかしながら、相手の商売が上手く行っていない場合や、当該銀行口座に十分な金額が入金されるだけの売上が無い場合も考えられますので、その点に関しては注意が必要です。
このため、少額訴訟を起こす場合においては「どのように債権を回収するか」「債権を回収するまで相手を如何に生かすか」等も含めて考えておく必要があります。
和解が成立せず、判決が出た場合の解説の追加。
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※複数個所
煮太工業有限会社 煮太興業有限会社 38~39ページ「訴状記載例」に対応するため。
会社名等についてはフィクションであり、実在の会社等とは一切関係がない。
余談だが、敢えて「斜太」という表記は用いていない。
35ページ目 「相手方の債権情報(銀行口座情報等)が揃っているか」が複数存在する (変更なし) 意図的に重複させている。
債権情報を押さえておかないと、仮に裁判の判決により原告の債権を認められてもそれを執行する事が出来ないため、それぞれの状況において必ず債権情報を確認する事を求めている。
最終更新:2013.8.17

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